映画に感謝を捧ぐ! 「トロピカル殺人事件」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はマイク・セダン監督の「トロピカル殺人事件」に  感謝を捧げようと思います。  連続殺人事件を追う刑事「アレックス」の  運命を描いた本作は  ハワイ気質と葛藤に彩られたポルノ映画であります。  レズビアン風味満載のセックス・シーン、ハワイの風景  緩いサスペンス要素を融合させたストーリー&演出は  私に「肩書きと実像のせめぎ合い」・「ポルノ的地形効果」と  「推理小説に対するブラック・ユーモア」の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (愛憎劇の香りによってサスペンス要素が抑え込まれた最終決戦から  「異性愛の終わりと同性愛の再燃」を感じさせる幕切れへと  着地することによって  作品の「真相」を明らかにしている点も見逃せません。)  まさに「サスペンスの装飾を纏った同性愛映画」と  呼びたくなる作品であると言えるでしょう。  「サスペンス」としての面目を保つために用意された犯罪捜査シーンが  お色気シーンの連続攻撃、「ハワイ」という舞台の持つ陽気さ  一切の捜査過程を無視して明かされる真相によって粉砕されていく姿が  ある種の笑い&解放感を呼び起こす本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。