映画に感謝を捧ぐ! 「ガール・オン・ザ・トレイン」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はテイト・テイラー監督の「ガール・オン・ザ・トレイン」に  感謝を捧げようと思います。    ポーラ・ホーキンスの同名小説をもとにして作られた本作は  幻惑的エネルギーに満ちた女系サスペンス映画であります。  「ヒロイン3人の状況を交互に写す」・「時系列操作」  「同じ出来事を多角的に描写する手法」・「夢オチ的表現」の連打によって  ヒロインの抱える精神的混乱を映像化すると同時に  鑑賞者を「情報の迷宮」へと誘おうという試みは  私に、人の運命を繋ぐ「見えない絆」の存在  どんでん返し主義の光と闇  欲求&衝動を制御することの重要性を  娯楽的に表現する手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (西部劇風ハッピー・エンドによって  「過去に囚われず、未来を見つめる」ことの大切さと    「勝利は過程を正当化する」という歴史の現実を  示す幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「愛憎迷宮系サスペンス」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  制御を失った想像力と自制なき性的欲求がもたらした悲劇を  時間、空間、複数のヒロイン目線を操りながら  描くことに挑んだ本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。