映画に感謝を捧ぐ! 「海底1万リーグからの妖獣」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はダン・ミルナー監督の「海底1万リーグからの妖獣」に
感謝を捧げようと思います。
海上で発生した連続殺人事件に関わる
人々の運命を描いた本作は
ハンディキャップを乗り切るための
知略と奮闘ぶりに心打たれるモンスター映画であります。
1954年の映画「大アマゾンの半魚人」に便乗する商業戦術
「着ぐるみ」の限界を人間模様&サスペンス重視の作劇法で補う知略
映像的残酷さの抑制と娯楽的見せ場作りの均整を保つための映像技が
一体となる光景は
私に、SF映画作りにおける「戦術性」の重要さと
科学者的狂気とビジネス的狂気がもたらした悲劇を
暇つぶし規模の枠内で描く技法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(最終決戦において主人公&ヒロインよりも
「脇役」の活躍を重視するという
大胆不敵な手法を用いている点も見逃せません。)
まさに「モンスター系SF映画入門」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
モンスター系海洋SF&陰謀系サスペンスの王道
お化け屋敷的モンスター造形
状況説明の抑制による物語の効率化が手を結ぶことによって
生を受けた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。