映画に感謝を捧ぐ! 「死の谷」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はラオール・ウォルシュ監督の「死の谷」に  感謝を捧げようと思います。  無法者「ウェス・マックイーン」と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  豪快でありながらも苦味の利いた西部劇であります。  暴力&欲望渦巻く世界との訣別を望みながらも  自らの本能と陰謀渦巻く人々に翻弄され  犯罪の底なし沼へと落ちていく男を  西部劇ならではのアクションをふんだんに用いながら  描いていくという試みは    私に、西部劇と犯罪映画を結びつける「絆」  富と環境が人間に与える影響  娯楽的サービス精神と教訓劇の平和的共存を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (1970年代映画的非情さと人情劇の和やかさを兼ね備えた    幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「破滅系西部劇」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  西部劇要素と現代劇要素、神秘性と俗物性    活劇性と悲劇性、人情と不人情が絡み合う本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。