映画に感謝を捧ぐ! 「サランドラ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はウェス・クレイヴン監督の「サランドラ」に
感謝を捧げようと思います。
荒野で立ち往生した7人家族&愛犬2匹の運命を描いた本作は
節制と工夫に彩られたホラー映画であります。
節約感満載の風景&小道具、胡散臭さ溢れる登場人物
見世物感&残酷さに満ちた暴力描写
説明描写&情緒を抑制し、即物的に進行する
ストーリーが一体となる光景は
私に「荒廃した舞台設定」・「感情移入を阻むキャラクター造形」を
前面に出したホラー映画の醍醐味と
「暴力は善悪にかかわらず残酷である」というメッセージを
ホラー映画的に表現する技法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(映画界における「ハッタリ宣伝戦術」を体現する邦題と
勧善懲悪的爽快感よりも暴力に魅入られた人間の
「狂気」が印象深い幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「チームバトル系ホラー」の雄と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。
敵役一家の残酷さに刺激され、残酷度を増していく主人公一家を通じて
「悪」の伝染性と環境が人間に与える影響を写し出すと同時に
我が国の外国映画宣伝史における最高位のハッタリ
「ジョギリ・ショック」を生み出した世紀の怪作である本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。