映画に感謝を捧ぐ! 「ハイジャック・ゲーム」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアレックス・マーキン監督の「ハイジャック・ゲーム」に  感謝を捧げようと思います。  旅客機をハイジャックした犯罪者集団に立ち向かう  FBI捜査官「グレッチェン・ブレア」の運命を描いた本作は  外見以上に策士的なアクション映画であります。  不鮮明な映像、緩慢なアクション・シーン、小者感溢れる敵軍  既視感満載のストーリー展開を  「夜の旅客機内」・「軽量級の犯罪者集団による仲間割れ」という  大義名分によって正当化するという試みは  私にアクション映画における「舞台」の重要性  ダイエット的キャラクター造形の醍醐味  他作品の設定をリサイクルする技法の一端を  目の当たりにする機会をもたらしました。    (ヒロインとほとんど対決することなく訪れる「敵将の最期」が  運命の不条理性を示している点も見逃せません。)  まさに「巻き込まれ系空間限定アクション」史上屈指の  狡猾なる珍作であると言えるでしょう。  「暇つぶし規模の量産型アクション映画」に徹した世界の中で  過去作を応用した場面の数々と  D・ラングレンの実像を生かした「敵将造形」が光る本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。