映画に感謝を捧ぐ! 「女ドラキュラ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はランバートヒルヤー監督の「女ドラキュラ」に  感謝を捧げようと思います。  1931年の映画「魔人ドラキュラ」の後日談となる本作は  外見以上の娯楽史的価値を持った吸血鬼映画であります。  暇つぶし規模の吸血鬼映画の中において  犯罪捜査とモンスター退治、吸血鬼と精神分析  ユーモアと怪奇恐怖を結びつけるという発想  男女のコンビ、恋愛映画的人間模様が  共存するという現象は  私に「後年の吸血鬼映画&TVドラマ(Xファイル等)」に対する  道しるべの一つと  科学と神秘、父と子の対立構造を怪奇的に  表現する技法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (勧善懲悪的決着に背を向けて  愛憎劇+犯罪映画の香り漂う「決着の付け方」と  なっている点も見逃せません。)  まさに「異常心理+愛憎系吸血鬼映画」の  一翼を担う作品であると言えるでしょう。    ブラム・ストーカーの小説から生まれた  吸血鬼映画の流れを汲みつつ  サスペンス・ロマンス的加工を施すことによって生を受け  怪奇文化の可能性を広げる原動力となった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。