映画に感謝を捧ぐ! 「突破口!」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はドン・シーゲル監督の「突破口!」に
感謝を捧げようと思います。
ジョン・リースの小説「The Looters」をもとにして作られた本作は
様々なな娯楽要素が力を合わせる姿に
心打たれる泥棒映画であります。
豪快なアクション、クールな頭脳戦、男の哀愁が交錯するストーリー
素朴さと暴力性に彩られたアクション・シーン
和やかさに包まれた風景
庶民的ムードの中に冷徹さ&勇猛さを宿す主人公
残虐性とユーモアを兼ね備えた敵役が
互いの個性を生かし合いながら軽やかに進行する光景は
私に「心技体の限りを尽くして敵対組織を翻弄する一匹狼の爽快感」
「勧善懲悪の制約に囚われない物語の魅力」
「映像テクノロジーに依存しないアクション・シーンの醍醐味」
「活劇性と人間性の平和的共存」の一端を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「敵を倒す→ハッピー・エンド」という安易な決着に依存せず
事後処理を的確に行う生真面目な幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「極道系ワンマン・ヒーロー映画」史上屈指の
渋味と野性に包まれた作品であると言えるでしょう。
W・マッソー、A・ロビンソン、J・D・ベイカーの男臭
田舎町ならではの素朴感、
アイデアと技量を兼ね備えた乗り物アクション
犯罪ゲーム的スリル&サスペンスと
組織至上主義化されていく世界に対する反抗精神がバランス良く配合された
作劇&キャラクター造形が冴え渡る本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。