映画に感謝を捧ぐ! 「僕が星になるまえに」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はカッティーダルトン監督の「僕が星になるまえに」に  感謝を捧げようと思います。  末期ガンの男「ジェームズ」と仲間3人の旅を描いた本作は  娯楽的盛り上げを抑制するクールさと  人情味を兼ね備えた難病映画であります。  「死&挫折」の影を纏いながらも  軽やか&陽気に進行するストーリー&演出  素朴な風景美、青春映画の香り漂うキャラクター造形が  一体となる光景は  私に「悲劇」を描きながらも  不幸の強調による感動誘発に依存しない物語の輝きと  生真面目さと滑稽さが軽業的なバランスで共存する世界を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ハッピー・エンドにはなり得ない状況でありながらも  悲しみに溺れず、優しさに彩られた幕切れと  なっている点も見逃せません。)  まさに「道中系難病映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  1997年の映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」の流れを汲みつつ  より渋味の利いた方向へと進んでいく本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。