映画に感謝を捧ぐ! 「制服の処女(1931年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はレオンティーネ・ザガン監督の「制服の処女(1931年版)」に  感謝を捧げようと思います。  ポツダムの女学院で暮らす人々の運命を描いた本作は  女性目線と舞台性に彩られた青春映画であります。  閉鎖空間と女性的教条主義の融合が生んだ支配体制と  少女的価値観&自由主義の軋轢がもたらす悲劇を  上品さ、娯楽的高揚感、メッセージ性の均整を保ちながら描ききった    ストーリー&演出は  私に「女性的繊細さと娯楽的高揚感の共存」  「会話を重視しつつ、説明過多に陥るのを防ぐ技法」  「閉鎖系サスペンスの香りを宿す日常劇」の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (安易な感動誘発&ハッピー・エンドに溺れず  優しくも苦い幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「女系青春映画」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  悪意なき支配欲と奔放にして繊細な愛のせめぎ合いを通じて  後年の「ドイツ」を覆う愛国的恐怖支配を予見した本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。