映画に感謝を捧ぐ! 「宇宙船の襲来」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジーン・フォウラーJr監督の「宇宙船の襲来」に
感謝を捧げようと思います。
地球に襲来したエイリアンたちの運命を描いた本作は
恐怖と哀愁がせめぎ合うエイリアン系SFであります。
軽量感漂う特殊効果&モンスター造形と
人間の姿となって地球に滞在し
情報収集を行うことによって「種の絶滅」を
防ごうとするエイリアンたちの奮闘ぶりと
エイリアンの一人と交流を深めていくヒロインの葛藤を
サスペンス、ロマンス、ホームドラマを交えながら描いたストーリーが
一体となる光景は
私に「スケール感&映像的インパクトを抑制する」事によって
王道的な地球侵略SFに「渋味」が発生する現象と
環境&価値観の異なる世界で「諜報活動」を行う難しさを
SF的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドと悲劇が「カードの表裏」であることを
静かに写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「異文化交流系地球侵略SF」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
軽量級SFならではの見世物的サービス精神と
効率的ストーリー展開の中に
種族間ロマンスの悲劇とスパイの苦闘を宿す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。