映画に感謝を捧ぐ! 「ステイト・オブ・ウォー」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はトリスタン・バウアー監督の「ステイト・オブ・ウォー」に
感謝を捧げようと思います。
1982年のマルビナス島に派遣された
アルゼンチン軍兵士「エステバン」の運命を描いた本作は
「フォークランド紛争」をアルゼンチン目線で見つめつつ
戦争&歴史の残酷さを写し出す戦争映画であります。
1982年と2001年を往復しながら
冷戦時代のアルゼンチン事情と
戦争の直接&間接被害を兵士目線で描いていく
ストーリー&演出は
私に「スケール感の適性範囲」を守り続けることの大切さを
目の当たりにする機会と
上層部に振り回される兵士の悲哀と
大国に翻弄される中小国の悲劇が重なり合う感触をもたらしました。
(「イギリス製の時計」を巡る挿話を通じて
ソ連(ロシア)陣営に属しつつも不信感を抱く
アルゼンチンの思いを描写している点と
東西冷戦に対する静かなる怒りとMTV技法が重なり合うことによって
哀愁とメッセージ性が共存する幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「戦争&歴史論映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
イギリス軍の脅威と上官の理不尽さに苦しめられる
兵士たちを描いた反戦映画の形態を取りつつ
「フォークランド紛争」の黒幕的存在である東西大国に
批判の刃を放つ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。