映画に感謝を捧ぐ! 「青い麦」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はクロード・オータン・ララ監督の「青い麦」に  感謝を捧げようと思います。  コレットの同名小説をもとにして作られた本作は  文学的にして戦術的な青春映画であります。  ユーモアとシリアス、大衆性と文学性の均整を保ちながら  青春系恋愛劇の王道を行くストーリー&キャラクター  絶妙のタイミング&センスで繰り出される音楽  避暑地感満載の風景が一体となる光景は  私に、映画における「舞台&音楽」の重要性を再認識すると同時に  「会話」重視でありながらも  鑑賞者の想像力をかき立てる作劇法と  映像的インパクトに依存することなく  物語を盛り上げていく演出法の魅力を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (王道的ハッピー・エンドに属しつつも  渋味の利いた幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「フランス製夏休み映画」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  「夏休み」の持つドラマ性、フランス映画的ロマンス&キャスティング  娯楽映画的サービス精神&文学気質  「大人と子供の間に立つ男女の心情」に対する  鋭くも穏やかな目線が冴え渡る本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。