映画に感謝を捧ぐ! 「17歳の夏」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はクリストフ・アリ&ニコラ・ボニラウリ監督の「17歳の夏」に
感謝を捧げようと思います。
17歳の少女「カミーユ」とヨット指導員「ブレーズ」の運命を描いた本作は
陰鬱にして躍動的な恋愛悲劇であります。
男女2人の「背徳的恋模様」と周辺人物の反応を
超効率主義的に描いていくストーリー
夏&避暑地ならではの陽気さに溢れた風景
美男美女風味を抑制した俳優&女優陣が一体となる光景は
私に「天然悪女の恐怖」・「バカンスの危険要素」
「10代男女の心理&愛情の不条理性」を映画的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ヒロイン&恋人の悲劇よりも
2人に翻弄され続けた「ヒロインの両親&祖父」の悲哀が
印象深い幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級不倫系ポルノ」の歴史に輝く
軽やかなる怪作であると言えるでしょう。
段取り描写を廃し、論理性を無視して燃え上がっていくロマンス
悪意なく男性を破滅させるモンスター的ヒロイン
安物感満載の暴力&性描写によって
愛と狂気、合理的作劇法と俗物的サービス精神が
絡み合う不倫映画となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。