映画に感謝を捧ぐ! 「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は石井輝男監督の「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」に
感謝を捧げようと思います。
江戸川乱歩の小説「パノラマ島奇譚・孤島の鬼など」を
もとにして作られた本作は
独特の美学と論理性を持った怪奇映画であります。
ポルノ的エロティシズム&サディズム、
サスペンス+ホラー的キャラクター造形
見せ場主義の赴くままに突き進みながらも
探偵映画としての論理性を保ち続けるという怪現象は
私に「推理小説において(探偵)は主人公ではなく
脇を支える解説者である」
「怪奇恐怖は現実社会の暗黒面より生じる」というメッセージと
見世物小屋+ミステリー的魅力が共存する光景を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(悲劇性と悪食的ユーモアが奇妙なバランスで混ざり合う
印象深い幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「和製怪奇系探偵映画」界の美しくも毒々しい強豪作であると
言えるでしょう。
江戸川乱歩文学+石井輝男監督という最高級の組み合わせによって
狂気漂う官能性&情緒ある怪奇恐怖を放つ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。