映画に感謝を捧ぐ! 「重臣と青年将校 陸海軍流血史」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は土居通芳監督の「重臣青年将校 陸海軍流血史」に  感謝を捧げようと思います。  昭和3年~11年にわたって繰り広げられた    日本軍の青年将校による暗殺&叛乱を  もとにして作られた本作は  壮大にして軽妙なる和製実話系映画であります。  歴史大作的スケール感の生成、新東宝流スター主義  軽量映画的効率主義&節約精神を  融合させることによって生を受けたストーリー&演出が  「1920年代後半~30年代における日本&アジア情勢」の  一端を写し出していく光景は  私に「大作主義と小規模映画会社精神の平和的共存」を  図ろうとする人々の思いと  「歴史の暗部」を娯楽的に伝える手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (反権力と反戦が静かに入り交じった  クールで苦い幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「昭和初期&軽量級史劇講座」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  忠臣蔵東映任侠路線と戦争映画を  新東宝的に融合させたかのようなスタイルで  「勧善懲悪的暴力志向」に潜む危険要素  「政治&軍事」のモンスター性を写し出す本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。