映画に感謝を捧ぐ! 「エアポート’77 バミューダからの脱出」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジェリー・ジェームソン監督の  「エアポート’77 バミューダからの脱出」に感謝を捧げようと思います。  1970年の映画「大空港」をもとにして作られた  「エアポート」シリーズの3作目となる本作は  伝統芸と時代の空気が絡み合う作品であります。  エアポートシリーズの精神「スターと飛行機事故を見せる」を守りつつ  「泥棒映画から海難系災害映画へと移行する」  「バミューダ伝説の有効活用」  「G・ケネディ扮するJ・パトローニを  ヒーローから(お守り的存在)へと移行する」  「ワンマン・ヒーロー精神を抑制し、チームバトル性を高める」という  工夫を凝らすことによって  マンネリ臭を緩和しようという試みは  私に「ポセイドン・アドベンチャーとその後日談」が  映画界に与えた影響と  反抗精神渦巻く1970年代の映画界において  アメリカ的スター主義の伝統を守ろうと奮闘する人々の勇姿を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (災害映画の王道に即した結末の裏側で  さりげなく海軍に配慮する幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「海難系飛行機事故映画」の称号にふさわしい  大いなる珍作であると言えるでしょう。  スター主義&続編戦術の赴くままに進みつつ  飛行機事故と海難を融合させるという離れ業に挑む事によって  アメリカ映画の歴史を示す資料的役割を果たしつつ  後年の災害映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。