映画に感謝を捧ぐ! 「第四の核」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョン・マッケンジー監督の「第四の核」に  感謝を捧げようと思います。  フレデリック・フォーサイスの同名小説をもとにして作られた本作は  渋味の利いたスリルと粘り強さを感じさせる  テロ対策映画であります。  活劇性&キャラクター性、映像的インパクトを抑制し  静かに進行するストーリー&演出  主演男優M・ケインの和やかさ&敵役P・ブロスナンのクールな佇まい  スリリングでありながらも品のある音楽が一体となる光景は  私に、最小限度の暴力&破壊描写で「テロ対策」を描くことに  挑む人々の勇姿と  「東西冷戦」に対する考察を娯楽的に表現する手法の  一形態に接する機会をもたらしました。  (穏やかな雰囲気の中に  「アクション映画的ハッピー・エンド」に対する疑心を宿す  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「ワン・アイデア系テロ対策映画」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  複雑化の一途をたどる国際情勢、イギリス製スパイ映画ならではの苦味  大衆娯楽的サービス精神が絡み合い  後年のテロ対策映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。