映画に感謝を捧ぐ! 「iPSー恐怖の暴走細胞ー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はエロン・シーアン監督の「iPSー恐怖の暴走細胞」に  感謝を捧げようと思います。  科学者「ジェフ・バートン」と彼を取り巻く人々の    運命を描いた本作は  SF映画史上屈指の「陰鬱さ&肩すかし性」を感じさせる珍作であります。  テクノロジー系SFの法則に則しつつ  映像的インパクト&SF的スケール感を抑制し  淡々と進行するストーリー&演出が放つ  「クールな恐怖&難解さ」は  私に「単純な状況を複雑に表現する」作劇法と  「SF映画的ハッタリ戦法」の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (軽量映画的宣伝戦術の一つ  「世間を賑わせる要素に便乗する」を体現した邦題と  ハッピー・エンドに属しつつも意地悪さ&危うさを感じさせる  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「陰性バイオ・テクノロジー系SF」の頂点を目指して  静かに歩んでいく作品であると言えるでしょう。  モンスター映画的方向に向かうと見せかけて  難病映画的方向へと進むことによって  人間の肉体&精神を狂わせる「根源」に迫る本作と   生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。