映画に感謝を捧ぐ! 「王と鳥」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はポール・グリモー監督の「王と鳥」に
感謝を捧げようと思います。
ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話
「羊飼い娘と煙突掃除人(やぶにらみの暴君)」を
もとにして1980年に作られた本作は
娯楽的サービス精神と神秘性に溢れたアニメーション映画であります。
SF+史劇的発想、アクション映画的活劇技、コメディ風味
少女漫画的ロマンス、空間限定映画の醍醐味がバランス良く配合された
ストーリー&演出、キャラクター造形が軽やかに進行する光景は
私に「大衆娯楽性と文学性の平和的共存」と
「映像ジャンルの特性を生かした作劇&演出法」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(万事解決のハッピー・エンドでありながらも
状況設明的描写に依存しないクールな幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに「活劇入り恋愛喜劇アニメ」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
「城内」という空間的制約の中でアイデアをふくらませていく想像力
残酷な状況であっても「ユーモア」を保ち続ける喜劇力
過剰な設定&情緒に溺れず
ストーリー展開&アクションの適正速度を保つ技術力によって
後年のファミリー向け映像作品に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。