映画に感謝を捧ぐ! 「プール(2016年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマッド・エスカンダリ監督の「プール(2016年版)」に
感謝を捧げようと思います。
プールに閉じ込められた2人姉妹の運命を描いた本作は
省力的にして奇策的な空間限定映画であります。
「オープン・ウォーター」シリーズの流れを汲むトラブルと
異常心理サスペンスを融合させつつ
ホームドラマ&人情劇的な方向へと向かうストーリーと
「暗き青」に彩られた映像が一体となる光景は
私に「人員&場所の節約」と
鑑賞者に「展開の先読み」をさせまいとする執念の融合によって
ストーリーが段階的に穏健化していく現象を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「ハッピー・エンド」によって様々な問題を隠蔽する
戦術的な幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「穏健派巻き込まれサスペンス」の一翼を担う
珍作であると言えるでしょう。
殺人場面に依存しないサスペンスの追求と
胡散臭さ溢れるキャラクター造形によって
緩慢な物語&映像を補強することに挑んだ本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。