映画に感謝を捧ぐ! 「プロポーズ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はゲイリー・シニョール監督の「プロポーズ」に  感謝を捧げようと思います。  1925年の映画「セブン・チャンス」をもとにして作られた本作は  現実感とお伽噺感の関係についての  一考察を示した恋愛喜劇であります。  「セブン・チャンス」の持つサイレント的笑い&活劇性を抑制しつつ  設定の現実味&恋愛要素を強化し  ロマンス重視系の作品へと変化させるという試みは  私に、リアル感を持たせようとする事によって生じる  「浮世離れ感」の増大と  トーキーとサイレントの「作劇的相違点」の一形態を娯楽的に示す方法の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (「セブン・チャンス」よりも情緒重視の幕切れを通じて  アメリカ映画界のハッピー・エンド事情を体現している点も  見逃せません。)  まさに「恋愛映画&喜劇映画論」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  B・キートンと花嫁集団が織りなす  クールでアトラクション的な鬼ごっこで名を成したサイレント喜劇を  1980年代的青春味で加工することによって生を受け  恋愛喜劇と時代との関係を写し出す本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。