映画に感謝を捧ぐ! 「大統領の堕ちた日」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はウィリアム・リシャート監督の「大統領の堕ちた日」に  感謝を捧げようと思います。  リチャード・コンドンの小説「ウィンター・キルズ」を  もとにして作られた本作は  静かなる過激さに包まれたサスペンス映画であります。  大統領暗殺事件の真相に探ることによって  情報の洪水&死の連鎖に巻き込まれていく主人公の運命を  娯楽的スリル&サスペンスを抑制し  クールに描写していくストーリー&演出は  私に「政治&歴史の舞台裏」を覗き見る感覚と  陰謀&殺人が「日常の営み」として進行していく世界の恐怖を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (忌まわしい真実&悲劇に押しつぶされ「幻の愛」にしがみつく主人公の姿が  「死」に勝るほどの悲劇性&虚しさを感じさせる幕切れとなっている点も  見逃せません。)  まさに「クール系政治サスペンス」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  「ジョン・F・ケネディ暗殺事件」の流れを汲む設定と  極道映画&テロ対策映画に匹敵するほどの大量死を    静かに写し出す映像技&作劇法によって  穏やかにして濃厚な「風刺の刃」を放つ本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。