映画に感謝を捧ぐ! 「犯人は21番に住む」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督の  「犯人は21番に住む」に感謝を捧げようと思います。  連続殺人犯「ムッシュー・デュラン」を追う刑事&女性歌手と  彼らを取り巻く人々の運命を描いた本作は  ユーモアとシリアスが軽妙に絡み合う  フランス製サスペンス映画であります。  探偵小説と日常系コメディの持ち味を兼ね備えた  ストーリー&演出、キャラクター造形が  上品且つ軽快に進行していく光景は  私に「犯罪サスペンスの秘めたる喜劇性」と  「映像技を駆使したスリル&サスペンスの醍醐味」を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (推理小説特有の「どんでん返し」を皮肉るかのような真相と  コミカルさとクールさがバランス良く配合された  幕切れも見逃せません。)  まさに「ブラック・ユーモア系犯罪サスペンス」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  庶民的ムードと神秘性、残酷さと滑稽さを兼ね備えた映像&物語と  夫婦漫才風味を宿す捜査官コンビ  人間心理を巧みに突いた犯罪トリックによって  後年のサスペンス映画&TVドラマに対する  「道しるべ」の一つとなった本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。