映画に感謝を捧ぐ! 「脱獄広島殺人囚」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は中島貞夫監督の「脱獄広島殺人囚」に  感謝を捧げようと思います。
脱獄広島殺人囚 [DVD]
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
2017-06-14

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 懲役20年の刑を受けた後  7回にわたって脱獄を繰り広げた結果    懲役41年7ヶ月となった男の生涯をもとにして作られた本作は  逆境に身を投じ続けることによって  凶暴さと計算高さを深めていく主人公の勇姿と  いかなる状況下にあっても「彼を殺さない」事を貫き通す刑務官陣営の執念に  圧倒されつつも心癒される実話系刑務所映画であります。  1970年代の東映ならではの暴力性&ユーモア  刑務所映画の王道&逃亡劇のスリル  東映実録路線を彩る男たち  荒々しくもユーモラス「主人公の心の声」  1920年代の日本社会の一端が複雑に絡み合う光景は  私に東映が誇る「極道人脈」  1960年代のアメリカ映画に便乗しつつも  個性を保ち続けるバランス感覚  反権威的精神、娯楽人魂、倫理観のせめぎ合いが  融合することによって生じる科学反応を  堪能する機会をもたらしました。  (和やかさ&危うさの中に「命の鼓動」を感じさせる幕切れが  アクション映画的ハッピー・エンドとは一味違う感動と渋味を  もたらしている点も見逃せません。)  まさに「和製刑務所映画」の雄と呼ぶにふさわしい  凶悪なる爽快作であると言えるでしょう。  「仁義なき戦い」の流れを汲む映像技&キャラクター造形と  中島貞夫監督&松方弘樹の名コンビが織りなす味わいによって  「東映刑務所シリーズ」の幕開けを告げた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。  追伸  本作の主演男優       松方弘樹氏のご冥福を祈ります。