映画に感謝を捧ぐ! 「クレイジーラブ 狂熱の欲望」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジャッキー・カトゥ監督の  「クレイジーラブ 狂熱の欲望」に感謝を捧げようと思います。  看護師「フェリシア」と戦場カメラマン「ディミトリ」の  運命を描いた本作は  恋愛映画史上屈指の「静かなる狂乱」を感じさせる怪作であります。  セックス、反戦メッセージ、ミュージカル、ロマンスを  細切れ的に挿入しながら  緩慢且つ陰鬱に進行していくストーリー&演出は  私に「各場面の意図」について想像力を行使しつつ  「愛&情熱」の持つ狂気&死臭に堕ちていく感覚に  立ち向かう機会をもたらしました。  (悲劇とハッピー・エンドを力業で組み合わせたかのような  幕切れを通じて「男女関係の不条理性」を  写し出している点も見逃せません。)  まさに「精神迷宮系恋愛映画」界に襲来した  モンスター的作品であると言えるでしょう。  純文学的難解さ、ポルノ的性認識、戦争映画的風景  愛憎劇&不倫劇風味が  暇つぶし規模の枠内で「混沌系ストーリー」を  生成していく姿に圧倒される本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。