映画に感謝を捧ぐ! 「東への道」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はD・W・グリフィス監督の「東への道」に
感謝を捧げようと思います。
ロッティ・ブレア・パーカーの舞台劇「Annie Lairie」を
もとにして作られたウィリアム・ブラディの同名舞台劇を映画化した本作は
上品にして過激なサイレント女性映画であります。
少女漫画風ラブ・ロマンスとして幕を開け
田舎町ホームドラマを経て
「男尊女卑社会」に対する壮絶なる刃へと成長していくストーリー
サイレント系ロマンス、コメディ、サスペンスの技法を融合させた映像
主演女優L・ギッシュの大いなる清純性が一体となる光景は
私に「人生のドラマ&サスペンス性」・「サイレント的文学性」
「スター主義とストーリー主義、大衆性と社会性の平和的共存」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(勧善懲悪の爽快感よりも「寛容さ&愛」の輝きを掲げる
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ロマンス&サスペンス入り社会論」の香り漂う
女性映画の雄であると言えるでしょう。
1919年の映画「散りゆく花」のチームが再集結し
殺人に依存しないスリル&サスペンスと
繊細さ故に周囲に翻弄される女性&伝統主義に囚われた人々が
精神的に成長していく姿を映し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。