映画に感謝を捧ぐ! 「宇宙のデッドライン」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエドガー・G・ウルマー監督の「宇宙のデッドライン」に
感謝を捧げようと思います。
新型高速ジェット機の実験中に
未来へとタイムスリップした軍人「アリソン少佐」の運命を描いた本作は
豪快にして堅実なSF映画であります。
宇宙系SFと見せかけて未来+モンスター系SFへと向かう豪快さと
SF的特撮を最小限度に留め
室内を主要舞台とすることによってスケール感の暴走を抑制しつつ
スリル&サスペンスを高めていく堅実さが一体となった
ストーリー&演出は
私に映像的インパクトに依存することなく
「暗黒の未来」を表現する技法と
人間関係&状況を二転三転させつつも
軽量級作品的躍動感を保つ妙技の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(安易なハッピー・エンドに走らず
結論を曖昧化することによって
渋味の利いた幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「時間移動系SF」史上屈指の軽快さと
娯楽的技術力を感じさせる作品であると言えるでしょう。
暇つぶし規模の枠内で
SF的発想、社会派の香り、サスペンス的人間模様
冒険活劇要素が絡み合う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。