映画に感謝を捧ぐ! 「裏切りのスナイパー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はミケーレ・プラチド監督の「裏切りのスナイパー」に  感謝を捧げようと思います。  強盗団を追う刑事「マティ」と  強盗団に与する元スナイパー「ヴァンサン」の  運命を描いた本作は  鑑賞者を陰鬱なる凶暴性&人間模様の迷路へと誘う  犯罪映画であります。  「強盗団を追う警察」と「強盗団の内部抗争」を  交互に描いていくことによって  複雑怪奇化していくストーリー&キャラクター  アメリカ製アクション映画+イタリア西部劇の香り漂う  銃撃戦&お色気  渋味の利いた俳優&女優陣+色彩が一体となる光景は  私に「活劇的豪快さと陰謀劇的苦味の共存」と  「犯罪に関わる人間の宿命」を映画的に表現する手法の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (勧善懲悪的ハッピー・エンドに背を向けて  正義と悪が紙一重の位置にいることを示すかのような  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「善悪混在系泥棒映画」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  1995年の映画「ヒート」の流れを汲みつつ  フランス的暗さ&イタリア的俗物性を配合することによって  生を受けた物語と暴力に彩られた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。