映画に感謝を捧ぐ! 「スーサイド・マーダー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアーマンド・マストロヤンニ監督の  「スーサイド・マーダー」に感謝を捧げようと思います。 盗作によって成功者となった作家「ジュリア・ロンドン」と  彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は  皮肉と効率主義に彩られた巻き込まれサスペンスであります。  「自殺&事故と殺人の秘めたる近似性」・「出版業界の凶暴性」を有効活用しつつ  サスペンス的見せ場のために進行するストーリーと  猟奇趣味と省力主義が絡み合った演出が一体となる光景は  私に「スピード&インパクト至上主義」と「娯楽産業に対する風刺」の  共同戦線の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (カウンセリングへの皮肉と殺人論を兼ね備えた真相と  ホラー映画的ハッタリと夢オチ風味に包まれた幕切れも見逃せません。)  まさに「軽量級風刺サスペンス」の一翼を担う珍作であると言えるでしょう。  「ファイナル・デスティネーション」シリーズ的日常認識  精神と肉体を結ぶ絆、推理小説に関わる人々の宿命が  出たとこ勝負的ストーリー展開の中で絡み合う本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。