映画に感謝を捧ぐ! 「タイム・トラベラーズ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はイブ・メルキオー監督の「タイム・トラベラーズ」に
感謝を捧げようと思います。
実験中の事故によって未来に通じる道を開いてしまった
科学者チームの運命を描いた本作は
荒々しくも堅実な時間旅行系SFであります。
物語を滑らかに進行させることによって
ワン・アイデア勝負感満載の設定がもたらす
「突っ込み要素」を緩和する豪快さと
未来を舞台とするSF映画の定番要素を
巧妙につなぎ合わせる堅実さが一体となる光景は
私に、荒唐無稽な発想と
小規模映画会社的節制の融合がもたらす科学反応と
娯楽映画における「適正なスピード感&スケール感」の
重要性を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「無限ループ」を体現するかのような幕切れが
ハッピー・エンドが「ある種の隠蔽&現実逃避」であるという
メッセージを放っている点も見逃せません。)
まさに「軽量級未来旅行」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
論理性&科学性の枠に囚われる事なく
荒廃した未来世界での冒険を描こうとする大胆さによって
後年の時間旅行系SFに対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。