映画に感謝を捧ぐ! 「96時間/リベンジ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はオリヴィエ・メガトン監督の「96時間/リベンジ」に    感謝を捧げようと思います。  2008年の映画「96時間」をもとにして作られた  人気シリーズの2作目となる本作は  軽薄さの中に悲劇性を宿すアクション映画であります。  軽快&能天気に進行するストーリー&アクションの中に  卓越した戦闘技術がもたらす武勇伝によって  「家族」を危険にさらしてしまう主人公の悲劇  外国人観光客によって戦場にされたイスタンブールの悲劇  家族の無念を晴らすために非情な闘いに挑んだ敵将と  彼に従った人々の悲劇  「アクション・ヒーローの妻」としての人生に疲れながらも  彼への愛を捨てきれない女性&彼女の再婚相手となった男性  父親との絆によって「テロリスト的思考」に染まっていく少女の悲劇が  宿るという現象は  私に「家族愛」の持つ危険要素と観光地の悲哀を  アクション映画的に表現する技法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (己の信念に殉じた「敵将」の姿と  ホームドラマ風味漂うハッピー・エンドを並べることによって  己の「正義」を信じる人間ならではの冷徹さを写し出している点も  見逃せません。)  まさに「血塗られた観光旅行系ホームドラマ」の称号にふさわしい  作品であると言えるでしょう。  無理矢理感に溢れながらも作品のテーマを的確についた邦題  敵に同情したくなるほどの「冷静さ&戦闘技術力」を誇る主人公  前作以上の破壊性を誇るアクション・シーンが  爽快感、笑い、悲しみの入り交じった感動を呼び起こす本作と    生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。