映画に感謝を捧ぐ! 「J.S.バッハーG線上の幻想」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はヤン・シュヴァンクマイエル監督の  「J.S.バッハーG線上の幻想」に感謝を捧げようと思います。  ヨハン・ゼバスティアン・バッハの曲  「Fantasia G-moll」をもとにして作られた本作は  軽やかなる妖気を放つ音楽映画であります。  上品でありながらも不気味さを感じさせる曲と  アニメーション映像による荒廃した風景が一体となって  幻惑的に進行する光景は  私に「モンスター&特殊効果に依存しない怪奇ムードの生成」と  「ストーリーを鑑賞者の思考にゆだねる技法」の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  まさに「怪奇系音楽鑑賞+美術館巡り」と呼びたくなるような雰囲気に包まれた  作品であると言えるでしょう。  MTV的表現、サイレント的映像言語、J・S・バッハ関連曲の醍醐味が  一堂に会した本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。