映画に感謝を捧ぐ! 「日本暴行暗黒史 怨獣」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は若松孝二監督の「日本暴行暗黒史 怨獣」に  感謝を捧げようと思います。  若松孝二監督による「日本暴行暗黒史」シリーズの  4作目となる本作は  「日本暴行暗黒史」精神の赴くままに進みながらも  ある種の生真面目さを感じさせる異色作であります。  「日本暴行暗黒史」シリーズの持ち味である    生々しいエロ・暴力・反権威を保ちつつ    サスペンス、時代劇、極道風味に包まれた物語へ向かうという試みは  私に「犯罪者の宿命」・「自制心なき性欲&野心の行き着く先」  「大衆向けサービス精神と文学性の平和的共存」  「複数の相反する証言を巧みに組み合わせ「一つの真実」を生成する手法」の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (主要人物全員を絶望&破滅へと導きつつも  「男2人の無器用な友情」に心打たれる幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「和製軽量級復讐劇」の一翼を担う  大いなる怪作であると言えるでしょう。  俗物的且つ暇つぶし的な作品世界の中で  ポルノ的肉欲、西部劇+時代劇的復讐精神、1970年代風反抗精神    教訓劇&ミステリー風味が絡み合う本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。