映画に感謝を捧ぐ! 「コーマン帝国」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 

 今回はアレックス・ステイプルトン監督の「コーマン帝国」に

 感謝を捧げようと思います。

 映画製作者ロジャー・コーマン

 関連作品について記録した本作は

 大衆食堂感と感動巨編風味が交錯する

 ドキュメンタリー映画であります。

 「アクション・お色気・反権威の3原則を遵守する」

 「倹約精神&効率主義の極限に向かいつつ

 一定の芸術性&社会性を保つ」

 「大規模映画会社とは一味違う人材&題材登用」

 「量産型の軽量級映画と外国の名作をバランス良く供給することによって

 会社の財政&権威を維持する」

 R・コーマン的サービス精神と

 インタビューに応じた人々の「R・コーマン&映画愛」によって

 

 淡々とした記録映像が「芸出&娯楽論+史劇」の領域に

 到達する光景は

 私に、企業&金融機関の支援に依存しない事によって

 作家性を保ち続ける映画作りの醍醐味

 教科書的な成功法則&大組織に頼る思考と闇雲に争わず

 静かに別の道を行く事によって歴史に影響を与える存在となった人々

 弱者とされる存在が「機動力&知略」によって

 強者を翻弄する快感を満喫しつつ

 小規模会社&暇つぶし系作品の文化史的重要性&生き残り戦術と

 世界を閉塞化させる権威&因習と戦う人々による苦闘の

 一端に触れる機会をもたらしました。

 

 (ユーモラス&見世物的でありながらも「情」を感じさせる

 幕切れ→エンドロールも見逃せません。)

 まさに、記録映像の領域を軽やかに超越し

 大衆系英雄伝+舞台裏系史劇にたどり着いた

 軽妙にして壮大な一作であると言えるでしょう。

 大規模系映画会社が軽視する

 「若者&大衆向けに特化した小規模娯楽作品」によって

 映画界の陰の覇者となり

 「ジョーズ」・「スター・ウォーズ」等を駆使した

 大規模系映画会社の侵略に対しては

 「大規模系映画会社が生み出した潮流に乗りつつ

 独自性を保つ」事によって共存を図ろうと奮闘し

 企業&金融機関の支援に依存し

 無制御に予算&人材を投じる映画作りに警鐘を唱え続ける

 R・コーマン&仲間達の生き様を

 軽やか&ブラック・ユーモア的でありながらも優しい目線で

 写し出した本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。

追伸 台風&地震に遭われた地域の復興と

     被災者の方々が負われた心身の傷が

     癒されることを祈っております。