映画に感謝を捧ぐ! 「ミモザ館」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジャック・フェデー監督の「ミモザ館」に  感謝を捧げようと思います。  宿屋「ミモザ館」を経営する夫婦と  義理の息子「ピエール」の運命を描いた本作は  相反する要素が絶妙のバランスで配合された  家族劇であります。  和やかな人情喜劇から愛憎渦巻く悲劇へと転じていくストーリー  過激な描写に踏み込みつつ上品さを保ち続ける演出  庶民的ムードと浮世離れ感が入り交じった俳優&女優陣が一体となる光景は  私に「義理の親子関係」を維持することの難しさ  人生に潜む「罠」、宿屋の持つ物語的可能性の大きさを  映画的に表現する技法の一形態を    目の当たりにする機会をもたらしました。  (娯楽映画的盛り上げを抑制しつつ  愛と博奕によって「盲目化」した人間の悲劇と  「人生&金銭」に対する痛烈なる皮肉を放つ  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「フランス流家族悲劇」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  宿屋一家の「穏やかな日々」が静かに崩壊していく姿を通じて  人生の光と闇を写し出す本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。