映画に感謝を捧ぐ! 「郵便処刑執行人」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はトニー・マーク監督の「郵便処刑執行人」に  感謝を捧げようと思います。  郵便配達員「ダリウス」と彼を取り巻く人々の  運命を描いた本作は  小市民的狂気に彩られた異常心理劇であります。  青春映画とサスペンスを交互に進行させ  段階的に論理性をそぎ落とし  凶暴性&変態性を高めていくストーリー&演出と  庶民的&極道的ムード漂うキャラクター造形が  一体となる光景は   私に「郵便配達員」に対するマイナスイメージ  ワン・アイデア至上主義、日常劇的狂気の  究極形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (モンスター映画的センスに溢れた邦題と  ハッピー・エンドに潜む空しさ&危うさを感じさせる幕切れが  作品の怪作的魅力を高めている点も見逃せません。)  まさに「庶民派悪人系サクセス・ストーリー+愛憎劇」の  一翼を担う軽量級作品であると言えるでしょう。  日常生活に潜む恐怖要素と情報化社会の暗部を  出たとこ勝負魂&見世物感覚と  美男美女&権力者に対する悪意の赴くままに  増幅させることによって生を受けた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。