映画に感謝を捧ぐ! 「シノーラ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョン・スタージェス監督の「シノーラ」に  感謝を捧げようと思います。  賞金稼ぎ「ジョー・キッド」と彼を取り巻く人々の  運命を描いた本作は  伝統と時代のせめぎ合いに彩られた西部劇であります。  アメリカ西部劇と極道映画を融合させたかのような  ストーリー&演出、キャラクター造形が  暴力的且つ軽快に進行する光景は  私に、反抗精神渦巻く1970年代において  「勧善懲悪西部劇」の伝統を残そうとする人々の苦闘と  イタリア西部劇がアメリカ西部劇に与えた影響の一端を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (西部劇の王道に即しつつも  娯楽的爽快感を抑制した渋味のある幕切れとなっている点も  見逃せません。)  まさに「映画文化混合型西部劇」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  J・スタージェス監督&C・イーストウッドという  正統派西部劇風味溢れる組み合わせでありながら  暴力団抗争的な方向へと進行していく物語&アクションによって  アメリカ西部劇的サービス精神と時代との乖離を体現する本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。