映画に感謝を捧ぐ! 「知られざる大陸」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はヴァージル・W・ヴォーゲル監督の「知られざる大陸」に
感謝を捧げようと思います。
海軍の南極調査チームに参加した男女4人の運命を描いた本作は
力業と小技が絡み合うSF映画であります。
南極を舞台にした冒険活劇と見せかけて
「時間旅行系&巨大生物系SF」要素を繰り出す豪快さと
SF映画的ハッタリと予算&人員節約を
巧みに共存させる堅実さを兼ね備えたストーリー&演出は
私に「サービス精神と倹約精神を両立させる作劇法」と
「南極」の娯楽映画的活用法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(安易な自己犠牲&ヒーロー礼賛に依存しない
穏健且つ生真面目な幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「恐竜系SF」の歴史に輝く軽量作であると言えるでしょう。
空間&人数的スケール感をコントロールする知略と
荒唐無稽さと説得力、精神的スリルと物理的スリル
均整を保とうとするバランス感覚によって
後年のSF映画&TVドラマに対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。