映画に感謝を捧ぐ! 「罪の天使たち」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロベール・ブレッソン監督の「罪の天使たち」に
感謝を捧げようと思います。
元受刑者の更生を目的とした修道院
「ドミニコ会」で暮らす人々の運命を描いた本作は
静かなるスリル&サスペンスと文学性が共存する女性映画であります。
宗教映画、刑務所映画、日常劇の特性をバランス良く配合したストーリー&演出と
青春映画風味と舞台劇風味を兼ね備えた女優陣が一体となる光景は
私に、魂の中で繰り広げられる「神と悪魔の対立」と
閉鎖空間における人間心理を映画的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(悲劇的でありながらも希望&慈悲を感じさせる幕切れが
人生の無常さ&奥深さを静かに写し出している点も見逃せません。)
まさに「閉鎖系日常劇」の形態を取った宗教&社会論と
呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。
様々な罪と愛が交錯する世界を
純文学性と娯楽性、物理的スケール感と精神的スケール感の
均整を保ちながら描いていく姿に圧倒される本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。