映画に感謝を捧ぐ! 「紙ひこうき」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・カース監督の「紙ひこうき」に
感謝を捧げようと思います。
駅で出会った女性に一目惚れした男と
彼が飛ばした紙ひこうき達の運命を描いた本作は
クールにして豪快なアニメーション映画であります。
恋愛系ドタバタ喜劇とファンタジーの香りを兼ね備えながら
台詞&状況設明描写に依存することなく進行するストーリーと
ディズニー的絵柄でありながらも渋味の利いた映像が一体となる光景は
私に「サイレント喜劇的状況を渋味の利いた色彩で表現する」
「効率的ストーリー展開&アニメ的見せ場のよる突っ込み封じ」
「ファミリー向けアニメーションの味わいと文学性&風刺性を共存させる」技法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(王道的でありながらも娯楽的盛り上げを抑制した
情緒ある幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「都会派童話型恋愛アニメーション」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
適性範囲のスケール感&スピード感を維持する知略と
アニメーション的技術力&発想力を駆使して
恋心がもたらす熱気&狂気、紙ひこうきの魅力
企業社会の潜在的不条理性、都会特有の「無関心現象」を写し出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。