映画に感謝を捧ぐ! 「巌窟の野獣」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアルフレッド・ヒッチコック監督の「巌窟の野獣」に  感謝を捧げようと思います。  ダフネ・デュ・モーリアの小説「埋もれた青春」を  もとにして作られた本作は    王道と奇策が絡み合う巻き込まれ映画であります。  A・ヒッチコック監督の十八番「犯罪に巻き込まれる一般人」に即しつつ  極道映画風味&活劇性を重視する方向で進行するストーリー&演出は  私に娯楽映画の「潜在的反権威性」と「情報管理術」の  一端を目の当たりにする機会をもたらしました。  (翻訳よりも娯楽性に重きを置いた邦題と  「諸悪の根源」にヒーロー的存在力を持たせることによって  アクション映画的ハッピー・エンドとホラー的余韻を兼ね備えた  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「活劇系巻き込まれ映画」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  舞台劇、西部劇、犯罪劇の特性が互いの持ち味を生かしながら  物語を盛り上げていく姿が心地良い本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。