映画に感謝を捧ぐ! 「TSUNAMI(2005年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はヴィンフリート・エルスナー監督の  「TSUNAMI(2005年版)」に感謝を捧げようと思います。  ジルト島を襲う巨大津波の真相に迫る  人々の運命を描いた本作は  静かなる力業に彩られた珍作であります。  企業陰謀劇、海洋系災害映画、テロ対策映画を  つなぎ合わせる豪快さと  娯楽映画的状況を的確に押さえる堅実さを  兼ね備えたストーリー&演出が緩やかに進行する光景は  私に「王道」の持つ安心感、ジャンル融合による奇想天外感  笑いを目的としないパロディの香りに  満ちあふれた時間を満喫する機会をもたらしました。  (少人数で大人数&巨大企業に立ち向かう悪漢コンビに  同情したくなるストーリー展開になっている点と  アクション映画、スポーツ映画、災害映画における  「勝利」が一堂に会した作品であるという点も見逃せません。)  まさに「天災・人災連合軍」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  既視感満載の状況を勢い任せにつなぎ合わせて  一つの「個性」を生成する技法と  津波を題材にした映画でありながら  「自然よりも人間同士の争いによる犠牲者が  多くなるように調整する」という奇襲戦法を兼ね備えた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。