映画に感謝を捧ぐ! 「マザー・ドント・クライ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はダレル・ルート監督の「マザー・ドント・クライ」に  感謝を捧げようと思います。  シングルマザーとなった女性「クロエ」と  彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は  奇策的な狂気に彩られたホラー映画であります。  悪霊系ホラーの王道、シングルマザーの日常に潜む「ストレス要因」  世界史の暗部を融合させたストーリーと  ホームドラマ的事柄をホラー的に表現することを徹底追求した演出が  一体となる光景は  私に「性犯罪の恐怖&家庭環境が人間に与える影響」を  世に示す教訓劇と  アトラクション&サスペンス風味漂うホラー描写による共同戦線の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。    (「真実」よりもヒロインの末路に重きを置くことによって  物事は「見る人の心理状態」によって様々な形を取るという  メッセージを放つ幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「ホームドラマ型女系ホラー」の一翼を担う  大いなる怪作であると言えるでしょう。  日常劇規模のスケール感の中で   社会に対する警鐘と残酷趣味がせめぎ合う本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。