映画に感謝を捧ぐ! 「レイプ・ザ・ビースト」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はテリー・マイルズ監督の「レイプ・ザ・ビースト」に
感謝を捧げようと思います。
農場へ向かう途中で誘拐された女性
「ケイティ&スローン」の運命を描いた本作は
和やかな狂気に包まれた復讐劇であります。
「誘拐、レイプ、復讐」といった過激な題材を扱いながら
ヒロインに危機が訪れると同時に効率主義化するストーリー
ホラー的でありながらも陽気な暴力描写
極限まで抽象化されたレイプ・シーン、青春映画的挿入曲によって
残酷さが緩和され、緩やかな雰囲気が生成されていく現象は
私に「ポルノ路線」と見せかけて肩すかしを食わせる戦術
日用品アクションの醍醐味
復讐心と性欲の関係を娯楽的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ホームドラマ+観光旅行気分漂う幕切れを通じて
「勝てば官軍主義」の恐怖と暴力の癒し効果を
写し出している点も見逃せません。)
まさに「旅行&ゲーム感覚系レイプ復讐劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
復讐に燃えながらも能天気さを感じさせるヒロイン達
小市民ムード満載の悪漢、素朴極まる風景
ポルノ的性描写の徹底抑制を通じて
「復讐劇」を大衆食堂的存在にするための戦術
旅行の心得、田舎町の経済&治安事情の一端を
世に示した本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。