映画に感謝を捧ぐ! 「悪魔の美しさ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はルネ・クレール監督の「悪魔の美しさ」に
感謝を捧げようと思います。
「ファウスト」伝説をもとにして1950年に作られた本作は
教訓性と実験精神に満ちあふれた怪奇映画であります。
「2人の俳優が交互に主人公&悪魔の使いを演じる」
「ホラー的特殊効果と舞台劇技法の融合」
「神秘と科学を一体化させる」といった実験的試みを駆使しつつ
軽快且つ上品に進行するストーリー&演出は
私に「ファンタジーと史劇の共同戦線」・「キャスティング戦術」
「人心における(聖戦)を娯楽的に表現する」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドの安堵感と
人間の潜在的悪魔性に対する恐怖が混ざり合った
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「純文学&風刺系怪談」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
文学性と大衆性、ユーモアとシリアスの均整を保ちながら
映画界における「ファウスト路線」の一翼を担う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。