映画に感謝を捧ぐ! 「ロビン・フッドの復讐」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はウィリアム・A・ウェルマン監督の「ロビン・フッドの復讐」に
感謝を捧げようと思います。
ホアキン・ムリエタの伝説をもとにして
1936年に作られた本作は
大胆にして戦術的な実話系西部劇であります。
アメリカ西部劇でありながら「アメリカ人」の大半を
悪漢として描く大胆さ
説明台詞によってストーリー展開を効率化し
見せ場を的確に押さえることを可能にする作劇技術
アメリカ史の暗部に踏み込みながら
娯楽的アクション・シーンを強調し
残酷な場面を巧みに抽象化することによって
暇つぶし映画的安定感を保ち続ける映像技が一体となる光景は
私に「娯楽映画的サービス精神と歴史教材性の共存」と
「復讐者の宿命」・「鉱物ビジネスの暗黒面」
「組織の拡大による大義名分の変質&崩壊」を
西部劇的に表現する技法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ロビン・フッド伝説を皮肉るかのような雰囲気を感じさせる題名&邦題と
1930年代の西部劇でありながら
「1970年代風味&東洋的人情」に彩られた幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに豪快さと堅実さ、効率性と人情味がバランス良く配合された
「史劇系復讐西部劇」・「ホアキン・ムリエタ系映画」の雄であると言えるでしょう。
任侠映画風味から極道映画風味へと向かって突き進む
ストーリー、暴力描写、キャラクター造形によって
後年のアメリカ&イタリア西部劇に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。