映画に感謝を捧ぐ! 「暴走車 ランナウェイ・カー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はダニー・デ・ラ・トレ監督の「暴走車 ランナウェイ・カー」に  感謝を捧げようと思います。  車に爆弾を仕掛けられ、脅迫された銀行支店長  「カルロス」の運命を描いた本作は    豪快にして知的な巻き込まれ映画であります。  娯楽映画的爆発&カー・チェイスを的確に押さえつつ    銃撃戦に背を向けて「頭脳戦」を繰り出す知略  様々な突っ込み要素を「勢い」によって抑え込む力業  金融業界に対し「皮肉」を放つ社会性が一体となった  ストーリー&演出は  私に「娯楽性とメッセージ性の共存」と  「スケール感&スピード感の適性範囲を心得た作品作り」の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (アクション映画的能天気さを前面に出した邦題と  勧善懲悪の爽快感よりも  主人公一家の打たれ強さ&冷静さが印象深い幕切れも見逃せません。)  まさに「犯罪映画+テロ対策映画風金融業界論」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  アメリカ映画的豪快さとヨーロッパ映画的渋味  浮世離れした活劇性と社会に対する警鐘が融合することによって生じる  科学反応を満喫させてくれる本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。