映画に感謝を捧ぐ! 「ジュラシック・ユニバース」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はライアン・ベルガルト監督の「ジュラシック・ユニバース」に    感謝を捧げようと思います。  仮想空間を舞台にした殺人ゲームに挑む  死刑囚10人の運命を描いた本作は  怪獣系SFと殺人ゲーム系SFを  力業で組み合わせた豪快作であります。  「バトルランナー」の流れを汲むゲーム造形  「ジュラシック・パーク」の流れを汲む恐竜造形  TV番組を皮肉るかのように進行するストーリー  刑務所映画の香り漂う死刑囚造形が一体となる光景は  私に「既視感満載の物語&映像」をつなぎ合わせることによって  生成されたブラック・ユーモアと  「TV番組の舞台裏」をSF的に表現する手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (能天気なハッピー・エンドと見せかけて  「TV番組をコントロールする存在」を暗示する  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「SF映画資料館+TV番組講座」の一翼を担う  大いなる珍作であると言えるでしょう。  過去作&同期の話題作を有効活用するリサイクル精神と  出たとこ勝負&驚かせ主義的作劇法の  赴くままに突き進む本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。