映画に感謝を捧ぐ! 「とらんぷ譚」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はサッシャ・ギトリ監督・主演の「とらんぷ譚」に  感謝を捧げようと思います。  サッシャ・ギトリの小説「詐欺師の日記」を  もとにして作られた本作は  壮絶にして愉快な詐欺師伝であります。  トーキーとサイレント、サスペンスとユーモアを  融合させることによって生成されたストーリー&演出によって  主人公の「波瀾万丈な人生」が  軽やかに写し出されていく光景は  私に「悲劇と喜劇、史劇と犯罪劇の近似性」と  「運命の博奕性」を映画的に表現する手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (豪快にして謎めいた「どんでん返し」を披露する幕切れが  善と悪の複雑な関係と人生の神秘性を  体現している点も見逃せません。)  まさに「架空伝記映画」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  「悪行によって救われ、善行によって不幸になる」人生を  能天気且つ知的に渡り歩く主人公の生き様と    残酷&過酷な状況をユーモラスに描写する映像技&作劇法に  心癒される本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。